顎顔面骨折

 顎顔面骨折とは上顎や下顎などが外傷によって折れている状態で,痛みや腫れだけでなく咬み合わせがずれているといった自覚症状を認めます。関節突起(顎の関節)が骨折している場合,一般的に治療期間の長い保存的治療が行われることが多いですが,当科では積極的に低侵襲手術を行い,早期機能回復(通常食の摂取)を目指しています(術後数日で退院可能です)。
また,顔面多発骨折の場合には形成外科とのチームアプローチによって治療しています。

当院の治療の特徴

• 低侵襲手術:内視鏡とアングルドライバーを用いることで,できるだけ皮膚を切開せずに口の中のみの傷で手術を行います。顔面神経麻痺や皮膚の瘢痕といった合併症が生じません。
• プレート:一般的には強度の強いチタンプレート(術後1年程度で除去手術をすることが多い)が使用されていることが多いですが,吸収性プレート(数年程度で自然に吸収される)を積極的に使用し,1回の入院・手術で治療しています。



• 術後管理:顎間固定(ワイヤー)や牽引(ゴム)をできるだけ行いません。経管栄養(鼻からチューブを入れて栄養剤を胃内に注入する)もできる限り行わず、手術翌日より食事(流動食やお粥)を開始するようにしています。