低侵襲手術について

内視鏡を用いた低侵襲手術
(担当:岩井俊憲。外来: 月・火,全身麻酔手術日:水)

 近年,外科手術は腹腔鏡手術を代表に低侵襲手術が普及してきていますが,口腔外科領域ではいまだに大きな切開を行うため,患者さんの満足度の高い治療がこれまで提供できていませんでした。しかし,当科では2005年より低侵襲手術を目指し内視鏡を口腔顎顔面外科手術に導入し,2006年には内視鏡手術の世界的第一人者のいるドイツのフライブルク大学に留学したことで,現在では多くの低侵襲な内視鏡(支援)下手術を実施しており,患者さんのニーズ(外来手術,短期入院,皮膚を切らない,皮膚の切開は皺に沿って最小にするなど)に応えられるように,日々努力しています。例えば,下記のような手術を行っています。

・非切開手術(自然の孔からアプローチする。)

 内視鏡下唾石摘出術(唾液のでる出口から細い内視鏡を入れて唾石を摘出します。)

・完全口腔内手術(皮膚切開を行わず口腔内切開のみで手術を行う。)

 内視鏡支援下下顎骨関節突起骨折整復固定術
 (口の中から手術するため,皮膚の傷はつきませんし,顔面神経麻痺は生じません。)

・ミニマム創手術(皮膚の切開を皺に沿って,できるだけ小さくして手術を行う)

 内視鏡支援下顎下腺摘出術,内視鏡支援下頸部病変摘出術

・歯を保存するための新しい口腔外科手術(内視鏡を使用することで可能となる手術)

 内視鏡下歯根端切除術
   (大臼歯(奥歯)の根の先端に膿の袋ができると普通行われる歯の根の治療
   (いわゆる神経の治療)では直すことが困難であったため,これまで抜歯されてきた
    歯であっても内視鏡を使用することで保存(温存)可能となります。)

低侵襲手術のご希望がありましたら,紹介状(できれば画像データも)を持参のうえ、ご相談下さい。
横浜市立大学附属病院(代表)045-787-2800 
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